ノンアルコールビールの作り方と工程!子供が飲んでもいいの?
- 2017/3/27
- お酒
ノンアルコールビール市場は年々拡大傾向にあります。
以前は、ビールと比較するとやはり全然物足りない印象でしたが、最新技術によって、ビールと遜色ないほど喉越しや見た目等も格段に良くなっています。
また、車で食事に行った際や妊婦さんなど、ビールを飲んでは行けない時の補助商品として愛用している方も多い事と思います。
そんなノンアルコールビールはどのような工程で作られているのか?
疑問に思ったことはありませんか。
そこで本記事ではノンアルコールビールの作り方や気になる疑問点をまとめてみました。
ノンアルコールビールとは?
『ノンアルコールビール』は、通称『アルコールテイスト飲料』と呼ばれ『清涼飲料水』に分類されていますが、法的には商品ラベルに『Alc.0.00%』と表示することが認められています。
(独)農水省消費安全技術セーターによるとノンアルコール飲料は明確な定義づけはなく、味わい、香り、喉ごしなどがお酒の雰囲気を保ちつつ、アルコール濃度を1%未満に調整した清涼飲料と位置付けられているそうです。
日本ではビールが高級品だった大正時代の末期頃、庶民の間で『ノンビア』と呼ばれて流行しましたが、メチルアルコールの添加や麦芽酵母の不足などによって可なり“劣悪な品質の商品が流通した”といった歴史があります。
一方、昭和時代の前半頃から開発に着手された『ホッピー』は、粗悪な品質のイメージを払拭し1948年(昭和23年)に発売に漕ぎつけました。
当初は“ビールの代替品”として発売されたものですが、自然発生的に焼酎割で飲む人が増えてきたことから、巷で“焼酎割飲料”として急激に認知度が上昇しました。
ノンアルコールって、子どもが飲んでもいいの?
法的な見地からは、ノンアルコールビールを“子供が飲むこと”については何も問題ありません。
ただ、果たして“飲んで美味しく感じるのか”といえば甚だ疑問がありますし、また敢えて“飲む理由があるのか”といえば、両方とも『Non』といわざるを得ません。
因みに、飲料メーカー側の立場は、ノンアルコールビールのターゲットは“ビールを飲む人(成人)向き”といういのが建前です。
メーカーとしては未成年者の飲酒を助長する恐れや、周囲や保護者などへ混乱を与えかねないことから、基本的には未成年者への販売を推奨していません。
また、小売店などの販売者側もそれらの事情を勘案し、敢えて商品の取り扱いを行っていない状況があります。
ノンアルコールビールの作り方は3つの工程!
ドイツやアメリカなど海外製の多くのノンアルコールビールの製造法は、できあがったビールから“アルコールを除去する”という方法が主流となっています。
しかし、日本ではこの製造法が法律に抵触する可能性があるという理由から、各メーカーともアルコール除去の方法を採用していません。
因みに、日本の製造法は、大きく3つの方法に集約されています。
(1)麦汁に添加物を加える
ビール製造と同様に、糖化させた麦芽にホップを加えて煮込んだ“麦汁をベース”とし、酵母菌を加えることなくそのまま不純物を濾過したものに、炭酸やその他の添加物(人工甘味料や香味料など)を添加してビール風味を醸し出します。
(2)麦芽に添加物を加える
麦芽から抽出される“麦芽エキスをベース”とし、それ炭酸やその他の添加物を加えてビール風味を引き出します。
(3)アルコール発酵を抑える
製造工程の途中までビールと同様の手順で進め、最後の発酵工程で“アルコール発酵を抑制する”ことで、アルコールの濃度を1%未満に調整します。
おいしい製法とは?
ノンアルコールビールと雖(いえど)も基本的には『嗜好品』ですから、味の好みは人夫々によって異なります。
因みに、アルコール度数の高い“本物のビール”でさえ『ブラインドテスト(目隠し試飲)』で“メーカーを当てるのは難しい”とされていますので、アルコール度数が1%未満のノンアルコールビールではより一層難しいようにも思います。
それはさて置き、個人的な感覚からすると“ビールに一番近い”と思われるのは海外の製造法(アルコール除去法)で、2番目はアルコール発酵を抑制する方法で、3番目は麦汁ベースと麦芽エキスベースではないかと推察します。
なお、ノンアルコール飲料に関するの直近の“人気売れ筋ランキング(By価格.COM: 2017/03/15~03/21)”では、以下のようになっています。
(1)1位:アサヒビール ドライゼロ (2)2位:日本ビール 龍馬 (3)3位:サントリー オールフリー 3位:アサヒ ドライゼロフリー |
自宅でノンアルコールビールは作れるの?
原則として、自宅で“アルコール飲料を作る”ことは法律で禁じられていることは周知の通りで、アルコール濃度が1%を超えると法律違反(10年以下の懲役か100万円以下の罰金刑)となります。
ただ、『梅酒』だけは例外的に“自分で飲むことを条件”に認められており、また友人を自宅に招いて『無償』で飲ませる分には何ら問題ありません。
因みに、最近自宅でビールが造れる『ビールキット』なるものが市販されているそうです。
アルコール造りの原理から推してそんなに難しそうでもなく、説明書を読みながら行えば十分トライ可能と思われます。
ただ、1回当たり10~20リットルくらいの製造量になるので、失敗した時のリスクを覚悟の上で挑戦しなければなりません。
なお、万が一アルコール濃度が1%を超えると密造酒になるので細心の注意が必要です。
むすび
アルコールを作る原理は、米や麦などの澱粉を『麹(こうじ)』の働きによって『糖』を作り、糖に『酵母』を添加すると『アルコール』に変化します。
流れは実にシンプルなものですが、麹も酵母も『微生物』の仲間なので“働きをコントロールする”ためには、他の微生物汚染の防止、時間や温度の管理などのノウハウが必要です。
『ビールキット』を用いたノンアルコールビール造りは、『コスト・ベネフィット』の観点からは決してお勧めできませんが、成功した時に得られる感動は小さくないのかも知れません。