お通夜でもらう塩の意味は?帰宅した時のかけ方と忘れた時の対処法
- 2015/11/4
- お通夜
お通夜に参列すると、会葬礼状などと一緒に、塩の入った小さな袋を貰った事ありますよね。
あのお塩は何のために使うものかご存知でしょうか?
塩は料理だけではなく、宗教的な場面でもよく使われます。
例えば、盛り塩なども、縁起担ぎや厄除けの意味でよく知られた風習です。
最近のお通夜ではお塩が使われなくなってきているので、ご存じない方も多いかもしれませんね。
本記事ではお通夜で貰うお塩の意味や帰宅した際の使い方などをわかりやすく説明致します。
ご参考になれば幸いです。
お通夜で貰う塩の名前と意味
お通夜などに参列した後に貰う塩のことを、「清め塩」と言います。
清め塩は帰宅後、自宅に入る前に玄関先で塩を振りかけます。
清めの塩は、神道の考え方に基づいた儀式です。
神道では死を穢れとしているため、この穢れを祓うために塩で身体を清めるのです。
塩は生ものを腐らせないって本当?
塩は生ものを腐らせないために、日常の食生活にもよく使れていました。
「塩漬けにすると腐敗しにくい」というのを聞いたことがありますよね?
イカの塩辛が生ものだけど腐りにくいのは、塩が腐敗菌の繁殖を抑えているからなのです。
食品と同じような言い方は失礼ですが、ご遺体もそのままにしておくと腐敗してしまいます。
その進行を遅らせるためにも塩が使われていきました。
「不浄のものを清める」という意味で、習慣として日本で広く行われているのです。
また、神道に基づいた塩の使い方には、清め塩や盛り塩の他にもいろいろあります。
大相撲で力士が塩を撒くのも、土俵を清めているのです。
天草市の無形文化財となっている魚貫住吉神社の塩振り踊りも有名ですね。
これも、神様の通る参道を清めるという意味があります。
*塩振り踊りの様子を撮影した動画がありましたのでご紹介致します。
お通夜帰宅後のお浄めの塩のかけ方
身体に塩を振りかけるだけとはいえ、清めの塩には正しい作法があります。
せっかく身を清めるのですから、雑にならないように正しいやり方を覚えておきましょう。
清め塩の正しい使い方
①清めの塩は、帰宅して家に入る前に行います。
家の中に穢れが入ってしまわないよう、必ず玄関の敷居をまたぐ前に行います。 習慣で、玄関の戸を開けてすぐに足を踏み入れてしまいがちになるので気をつけましょう。 ②塩は、胸、背中、足元の順番で3か所に振りかけます。 家族の方に、少量を一掴みし、振りかけてもらいましょう。 1人で帰宅する場合は、自分で振りかけます。 ③振りかけ終わったら、手で払って家に上がってかまいません。 |
地域によっては、玄関先に塩を撒いて、その塩を踏んでから家に入るというやり方もあるようです。
塩をかけ忘れてしまった時の対処法
お通夜で疲れて帰宅すると、うっかり清め塩を忘れてしまうこともありますよね。
身体を清めることを気にする場合は、玄関まで戻って清め塩をしてから家に入りなおすようです。
既に喪服を脱いでしまっている場合は、もう一度喪服に着替えてから清めるのが正しいやり方となります。
最近では、清め塩をしないことも多くなっていますので、忘れたからといってあまり慌てなくても大丈夫です。
特に問題はありませんので、要は気持ちの問題ですね。
ただ、使わなかった塩を食用にしてはいけません。
ほとんどの清め塩には、湿気ないように乾燥剤が入っているので食べられないのです。
袋の裏に「非食品」と書いてあるはずですので、確認してみてください。
最近のお通夜で清めの塩が配られない理由
先にお話ししたように、清め塩は神道に基づいた考え方で、「不浄のものを清める」という意味があります。
一方仏教の考え方では、生と死を1つの世界として捉えているため、死は穢れたものではありません。
そのため、清めの塩は必要ないとしています。
特に浄土真宗は、死を穢れとする考えを強く否定し、清めの塩に反対しています。
また、昔と違ってドライアイスなどで保存してご遺体が腐敗しないような工夫もできるようになりました。
なので、現実的な点から考えても、清め塩は必要なくなってきているのでしょう。
とは言え、神道は日本古来の宗教であり、清め塩は習慣として根強く残っているのも事実です。
まとめ
以上、お葬式で貰う清め塩についてまとめました。
私の家ではお通夜に出かける前に、両親が玄関先に塩を用意してから会場に足を運んでいました。
以前からの習慣があると、身体を清めてから家に入りたいと今でも思ってしまいます。
しかし現代では、清め塩を行うかどうかは自分の判断に委ねられているのも事実です。
信仰する宗教や、地域の慣わし、育った家の慣習などを踏まえて、清め塩を使うかどうかを決めればよいと思います。
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