アルミ鍋の黒ずみや焦げを取る方法!酢やクエン酸の効果はあり?
- 2016/11/7
- 生活
『アルミニウム(aluminium)』は、原子番号が『13』で原子量が『26.98』、そして元素記号が『Al』で表される元素です。
通称、短縮して『アルミ』と呼ばれますが、外観的に『銀』に似ていて軽いことから『軽銀(けいぎん)』と呼ばれることもあります。
このように、金属であるのに軽いという特性がある他、“柔らかい”とか“伸びやすい”などの特性もあり、更に表面に形成される『不動態化膜(酸化被膜)』によって、イオン化傾向が大きい割に『耐食性』があることから、アルミ合金は様々な産業分野で利用されています。
その中で『1円硬貨』は、アルミニウム100%の純品で利用されている稀な例です。
アルミの代表的な合金としては、『ジュラルミン』が挙げられます。
ジュラルミンは、軽量という特性から『航空機』や『鉄道車両』などの材料として汎用されていますが、その反面“金属疲労に弱い”という欠点があるため、十分な点検体制が必要不可欠とされています。
また、電力事業においても『銅(Cu)』に比べて総合的な『電気伝導度』の優位性が高く、且つ軽量であることから送電鉄塔のスパンが大きく取れる利点があるため、『高圧送電線』として広く利用されています。
因みに、日本のアルミの用途は、輸送用機械が約40%を占め、続いてアルミサッシなどの建築資材が13%、アルミ容器などが11%となっています。
アルミ鍋が黒ずむ原因は?
『アルミ鍋』は、“軽くて熱の周りが早い”ため、手早く料理ができることが利点です。
アルミ鍋は使い始めると直(じき)に酸化され、表面にごく薄い『酸化被膜』を形成し腐食を防いでくれます。
表面の酸化膜を人工的に厚くすることを『アルマイト処理(陽極酸化被膜)』といい、耐食性が一段と高まります。
従って、アルミ鍋として市販されているものは、概ねアルマイト処理が施されています。
なお、アルマイト処理を行う場合、『硫酸(りゅうさん)』を使ったものは『白色アルマイト』といい、『蓚酸(しゅうさん)』を使ったものを『黄色アルマイト』といいます。
耐食性で比べると、黄色アルマイトの方が3倍くらい優れています。
アルミ鍋にできる『黒ずみ』は、表面の傷などで“酸化膜が剥がれた”場合に発生します。
傷でアルミ素地が露出した部分は、使用中に水と反応して『水酸化アルミニウム』を生成し、更に水に含まれるカルシウムや銅などのミネラルと複雑な『黒色化反応』を繰り返して変色するものです。
因みに、アルマイトを剥離する要因は、“酸性の強い食材”、“アルカリ性の強い食材”、“長時間に亘って熱に曝す”、“空焚きする”、“硬いもので擦る”、などが挙げられます。
アルミ鍋の黒ずみを簡単に取る方法
『アルミ鍋』の黒ずみを落とす方法は、概ね以下のような手順で行ってください。(1)軽度の黒ずみは、スポンジに適量のクレンザーを浸み込ませ、均等な力で丸く円を描くように擦り磨きします。
(2)しつこい黒ずみは、ステンレスタワシに適量のクレンザーをまぶし、同様に均等な力で円を描くように擦り磨きします。 (3)磨いているうちに、泡と一緒に黒い汚れが浮き出てきますので、水で流した後再度台所洗剤で洗い流します。 (4)擦りした後、米の『とぎ汁』を鍋に注ぎ10~15分煮沸すると被膜形成を促してくれます。 (5)その後すすぎ洗いを行い、水気をしっかり拭き取り暫く空気に曝して乾燥させて下さい。 |
アルミ鍋の焦げ付きを落とす方法は?
『アルミ鍋』を焦げ付かせてしまった場合は、しっかりと水気を切った後ひたすら“天日干し”をして下さい。2~3日して完全に乾燥したら焦げた部分を軽く擦ると簡単に剥がれてきます。
因みに、アルミ鍋を洗う時、重曹などアルカリ性のものを使うと却って黒ずみの原因になりますので注意して下さい。
アルミ鍋の黒ずみを取るのに、酢やクエン酸は効果がある?
『黒ずみ』を取り除くためには、黒ずんだ部分を輪切りにした“レモンで擦る”、また鍋に水を張り“リンゴの皮を入れて10~15分くらい沸騰させる”などによって、果物の酸が黒ずみを取り除きます。従って、アルミ鍋の黒ずみを取るために、酢やクエン酸などの弱い有機酸を使うのは効果があります。
鍋に8分目ほどの水を張り、小さじ2~3杯のクエン酸(酢)を混ぜて10~15分間煮沸して下さい。
むすび
『アルミ鍋』は、表面にできた薄い酸化膜で錆びるのを防いでいます。
ただ、この酸化膜は非常に薄いものですから剥げ易いという弱点がります。
また、アルミという素材自体が柔らかため、衝撃に弱く凹みやすい弱点もあります。
アルミの特性を知った上で、上手に使いこなしてください。