「死相が見える」の意味を判り易く!死相が見えると言われたけど大丈夫?
- 2016/11/1
- 生活
『相(そう)』という漢字は、『木』と『目』という字から成りたっており、元来“木を目で見る”という意味だそうです。
そのことから、①相(あい)対すること、②相(み)ること、③相(たす)けること、④大臣のこと(例:首相、宰相など)、⑤姿形(すがたかたち)のこと(例:人相、相貌など)、の意味で用いられます。
一方、物理用語で『相』とは、“物質の均一な系(状態)”のことを意味します。
多くの『純物質』は、体積を一定にして温度や圧力を変化させると、『固相』、『液相』、『気相』の3つの状態に変化します。
しかし、多くの物質の固相は“複数の相を持つ”ことが知られています。
例えば、『硫黄(S)』の場合は、斜方硫黄と単斜硫黄があり、それぞれ別の相を形成します。
『炭素(C)』には、グラファイトやダイヤモンドなど異なった形態が存在します。
また、『氷(H2O)』には、少なくとも12種類の形態が存在することが確認されています。
因みに、医薬品開発の『臨床試験』は、第1相試験、第2相試験、第3相試験と段階的に進めていきますが、この臨床試験の『段階』のこと”を『フェーズ(phase)』といいます。
第1相試験(phase1)は少数の健康な男子、第2相試験(phase2)は少数の病気の人、第3相試験(phase3)は大量の病気の人、と順次安全を評価・確認しながら段階的に進めていきます。
死相とは?判り易くいうと
『死相』という言葉は、『医学用語』を調べてみてもどこにも出ていません。
当たり前のことですが、人間の『脳死』の判定でも“極めて厳格な基準”を適用されている訳ですから、お医者さんが軽々にそろそろ“死相が現れましたから”・・・、などと言葉にしたら大変なことになります。
昔の『時代劇映画』で、よく“お主の顔に死相が漂っている”などの台詞がありました。
子供ながらに“決死の覚悟が顔に表れている”と理解していました。
その理解が正しいのだとすれば、決死を覚悟した時の“魂の在(あ)りよう”は一体どの様なものなのでしょうか。
中国には“心頭(しんとう)を滅却すれば、火もまた涼し”という故事があります。
これは“雑念を払えば、火さえも涼しく感じる”という意味です。
それに倣(なら)えば、『死相』とは“死を覚悟した涼(すず)やかな顔”のことをいうのでしょうか。
だとしたら、禅の奥義(おうぎ)を極めた高僧のような人など滅多にいないでしょうから、お医者さんと雖(いえど)も『死相』が判る訳もありません。
街角の“占いのおばちゃん”などが託宣(たくせん)する『死相』とは、“目の周りに隈(くま)がある”とか“眼球が虚(うつ)ろだ”等々ですから、その程度のことなら“親の死に目に会った人”なら誰でも知っていることです。
態々(わざわざ)お金を払って『占い師』のご託を聞く価値も無いようにも思います。
死相が出ている顔の特徴とは?
人の『死』は、必ずしも病気に限られている訳ではありません。
一昔前までは、『癌(がん)』は死の病といわれていましたが、医薬品や医療技術が発達した現代では、間違いなく『5年生存率』が向上しています。
更に遡(さかのぼ)れば、『結核』も死の病といわれていましたが、『抗結核薬(イソニアジド)』などの出現により完全制圧されました。
だからといって、病に侵され“人生半(なか)ばで命を落とす人”がいなくなった訳ではありません。
一般論でいうと、病死される方の多くは“徐々に体力を落とし”、“衰弱してゆき”、“気力がなくなり”、“死期を悟る”ことが多いといわれています。
従って、特に傍(そば)で様子を見ている近親者は、ごく自然に『死相』が現れてきたことを実感する筈です。
そのような場合に共通して聞くのは、“安らかな顔”とか“穏やかな顔”という話が多いものです。
死相が出ていると占い師から言われたけど大丈夫?そもそも死相って見えるの?
人の死は、寧(むし)ろ何の前触れもなく突然直面する『事故』、『事件』、『テロ』などによる“理不尽な死”が大変多いものです。
詰まり、“死に値する納得できる理由”などない訳ですから、これほど無念極まりない話もありません。
もし『死相』を判定できる人がいるのなら、事故などに遭遇する前に“無念な死”を回避できるかも知れません。
数10先には『AI(人工知能)』の発達によって、『死相』の判定が可能になるかも知れませんが、仮に可能となったら“人の行動が規制される”ことになります。
昔の諺に“犬も歩けば棒に当たる”というのがあります。
事故を回避するためには、“棒に当たるから行動するな”となる訳です。
一体、人間にとってどちらが幸せなのでしょうか。
結論としては、『占い師』のおばちゃんに何をいわれようと、これっぽっちも気にすることなどありません。
むすび
一昔前は、年間の『交通事故』による死亡者数が1万人を超えて、大変大きな社会問題になっていましたが、警察など関係者の地道な努力で減少しました。
一方で、近年『うつ病』などによる『自死(自殺)』が同じくらい多いと聞きます。
できることなら、精神科医などの医療領域の範疇において“顔に現れる兆候”を読み取り、何とか救って欲しいと願って止みません。