簡単な障子の張替え方!綺麗な剥がし方と張替えに適した天気は?
- 2016/11/2
- 生活
『障子(しょうじ)』とは、元々日本家屋における室内の『仕切り』や『目隠し』を目的とした『調度品』のことで、『襖(ふすま)』、『幕(まく)』、『帳(とばり)』、『屏風(びょうぶ)』、『衝立(ついたて)』など『塀障具(へいしょうぐ)』を総称するものです。
平安時代になってから、明かりを通すように木枠に紙を貼ったものを『明障子(あかりしょうじ)』と呼ぶようになり、襖や屏風などと区分されるようにました。
ただ、ガラスが一般家庭に普及するようになってからは使用されるケースが減りましたが、一部がガラスと併用される『雪見障子』として現在でも根強い人気があります。
『障子』は、古来より日本家屋の“ほの暗さ文化”を印象付ける格好(かっこう)の建具であり、日本建築の“陰影の美”を演出する象徴的な調度品でもあります。
近年では、応用範囲の幅の広さや奥行きの深さと併せ、多彩な『意匠性』と適度な『透光性』にも優れています。
更に、ガラスとの組み合わせによる『断熱効果』や紫外線の『遮蔽効果』の他、紙が持つ『調湿効果』などの機能性も評価されています。
障子の張替える目安
障子を張り替えるタイミングは、基本的には“障子が破れた”若しくは“汚れが目立ってきた”時です。
また、障子が破れたり汚れたりしていなくても、『紫外線』や『湿気』によって劣化し薄く黒ずんできたら張替え時です。
見た目は汚れを感じなくても、障子紙の表面には意外と『塵埃』や『カビ』などが付着しているので、蓄積すると“ハウスダストの原因”になる場合があります。
因みに、障子を張り替える間隔は、障子紙の材質や生活環境などによって異なりますが、概ね3~5年程度を目安にすると良いでしょう。
また、張り替えるタイミングとしては、新年を迎える大掃除などを選ぶのが一般的です。
しかし、家庭で『成人式』、『結納』或いは『法事』など冠婚葬祭の行事に合わせ、行う場合もあります。
障子の綺麗な剥がし方
障子を張り替える場合は、先ず古い障子紙を綺麗に剥がすことから始めます。
その際、丁寧に桟から剥がし取らないと、『糊(のり)』が均一に塗れないので気を付けて下さい。
なお、障子専用の『剥離剤(はくりざい)』も市販されていますので、今後も自分でやる意思があれば、『カッター』や『定規』などの道具一式を揃えるのも良いかも知れません。
障子紙は、接着剤の『糊』を水で濡らすと簡単に剥がすことができます。
少し乱暴ではありますが、天気が良く少し風が吹いている日であれば、庭先に出して“シャワー状にした水を掛ける”ことでも問題ありません。
ただ、その場合は、格子をしっかり乾燥させることが大事です。
また、庭がなければ家の中で万遍なく霧吹きで濡らす方法でも、簡単に剥がすことが出来ます。
何れの場合も格子の桟に“糊が凹凸に状に残る”ので、丁寧に傷を付けないように取り除いてください。
なお、どうしても糊が硬く剥がしにくい場合は、障子専用の『剥離剤』を使用すると良いでしょう。
張替えに適した天気は?
障子紙を剥がすのは、基本的には“糊を水で濡らして剥がす”訳ですから、できるだけ“湿気の多い雨の日”が最適なのです。
詰まり、乾燥した晴れた日の張替えは、糊が乾燥し易く可なり手際よくしなければ上手に剥がせません。
もし天気の良い日に張替えを行う場合は、障子紙を張った後に霧吹きで万遍なく湿らせて、障子紙の上から張った部分を軽く押さえ付けて下さい。
後で部分的に剝がれてくることがあります。
簡単な障子の張り替え方
今は『百均ショップ』に行くと便利なグッズが簡単に手に入ります。作業を始める前に、先ずは必要な道具として、
①障子紙 ②霧吹き(又は剥離剤) ③糊(又はスティック糊) ④刷毛(はけ) ⑤金属定規(カッターガイド) ⑥カッター ⑦マスキングテープ ⑧新聞紙・雑巾 |
などを用意します。
障子紙を張る際に“糊が垂れて”上手く行かない場合は、『両面テープ』を使う方もあります。
ただ、これは慣れないと結構手間が掛かるものです。
障子紙を張り終わった後は、霧吹きで万遍なく紙に水を吹きかけて下さい。
乾くと紙がピンと伸びて綺麗に仕上がります。
なお、障子紙の“張り方の注意点”をおさらいしておくと、次のようなものです。
(1)桟に残っている障子紙は、傷つけずに綺麗に剥がしておくこと (2)剥がし終わった後は、桟をしっかり乾燥させること (3)刷毛で糊を塗布する場合は、薄く均一に伸ばすこと |
むすび
障子張りは、慣れると結構面白いものです。
大体が年末大掃除で行うので気持ちが急(せ)いてしまい、つい手抜きをして乱雑になりがちです。
何でもそうですが、仕事前の『段取り』と『作業の手順』が大事です。
一生懸命取り組めば段々要領が判ってきますので、根気よく取り組んでください。