炬燵(こたつ)の中の嫌な臭いの原因は足かおなら?消臭対策のまとめ
- 2016/11/11
- 生活
『こたつ』の漢字表記は、現在は『炬燵』と表記しますが、江戸時代までは『火燵』と表記していました。
因みに、炬燵の起源は室町時代まで遡るといわれています。
当初は、床や畳の上に置いた『炬燵櫓(こたつやぐら)』の中に熱源を入れ、その上から布団などで覆い局所的な空間を温めるものです。
燃料は『木炭』を利用していましたが、時代が進むに連れ『豆炭』や『練炭』に置き換わり、今では電気ヒーターが主流となっています。
明治末期になって、イギリス人陶芸家が自宅に作った『掘り炬燵』が初めての『腰掛け炬燵』だったそうです。
足を下ろす面より更に一段深い面に穴を掘って、『耐火性』を持たせた構造とのことです。
ただ、このように深い穴式の構造からして燃料の補充や掃除に手間が掛かり、一酸化炭素中毒を起こし易い欠点がありました。
昭和初期になってこの腰掛け炬燵が一般家庭に普及していき、『掘り炬燵』と呼ばれるようになりました。
なお、『電気炬燵』は大正時代の後期になって発売されましたが、中々普及することはなかったようです。
炬燵の中が臭う主な原因
自分の家では中々気が付きませんが、炬燵に足を入れる時“臭いを感じる”ことがあります。
基本的に、炬燵に入れるのは『下肢部』ですから、直観的に“足の臭い”ではないかと考える人が多いと思います。
確かに、靴下を履(は)いているので“汗をかいている”筈ですから、やはり一番疑われても仕方がないように思います。
『汗』は、体温を調節するために全身の皮膚にある『汗腺』から放出するものです。
皮膚から蒸発する時に体表面から『気化熱』を奪い、体温を下げる働きをします。
ただ、汗腺から出た直後の汗は臭いがありません。
時間を経て汗に付着した『皮脂』や『垢(あか)』などの老廃物に接触し、雑菌が繁殖することで『体臭』となってしまいます。
また、通常、炬燵では『食事』することが多いものです。
食事をすると、必ずと言っていいほど“食べ滓(かす)”が落ちる訳で、その食べ滓が雑菌の繁殖にとって“恰好の栄養分”になり、食べ滓も臭いの発生源になります。
更に、臭いの元になるのは、菌だけではありません。
空中には目に見えない非常に小さな『塵埃(じんあい)』が浮遊しています。
この中には、例えば調理に使った“焼き肉や焼き魚”などの臭いや“ニンニクなどの香味野菜や香辛料”の臭い、或いは“ペット”や“タバコ”などの様々な臭いが家中に満ちています。
これらあらゆる臭いが全て“炬燵布団に吸着され”、中までしっかり染み込んでいる訳です。
詰まり、“炬燵の臭い”は、単に“足の臭い”といって片づけられない、“複雑雑多な全ての生活臭”が浸み込んだものが原因なのです。
炬燵の中の臭いを取り除く方法
炬燵に限らず、簡単に“臭いを取る”には薬剤を使う方法が思いつきます。
テレビでよく見るのは、“スプレー缶の薬剤”を噴霧するものですが、どのように使い分けるのが効果的なのでしょうか。
因みに、これらの薬剤の販売を所管する『厚生労働省』の定義は、次のようなものです。
(1)消臭剤は、臭気を『科学的・生物学的作用』等で除去又は緩和するもの (2)脱臭剤は、臭気を『物理的作用』等で除去又は緩和するもの (3)防臭剤は、臭気を他の香りでマスキングするもの (4)芳香剤は、空間に芳香を付与するもの |
何れにしても、これらの薬剤の効果は、“極めて瞬時に現れる”ものですが、残念なことに全て『持続性』はありません。
従って、炬燵の臭いを取り除くためには、薬剤に頼らないで“元から断つ”といった対処法を併用することが望ましいといえます。
(1)臭い菌を除去する
炬燵布団に浸み込んだ“汗と垢”や“食べ滓”による『ニオイ菌』或いは“その他の生活臭”は、シーズン中に“1度くらい丸洗いして”臭いの元を断つことが必要です。
(2)日光に当て殺菌する
天気の良い日に炬燵布団をベランダに出して、『日干し(紫外線)』するだけで殺菌効果による臭い取り効果が得られます。
(3)炬燵の中の空気を入れ替える
部屋の空気の入れ替えで窓を開けた時、炬燵布団を天板の上に捲り上げ中の空気を外気に暴露させ、炬燵の中の空気を入れ替えることができます。
炬燵の焦げた臭いを取り除く方法
寒くなって炬燵を出して使い始めると、“焦げたような臭い”がする時があります。
一体、何が原因なのでしょうか。
一般的には、通電した時に『ヒーター』や『コード』が熱せられて発する一過的な臭いですから、そう心配はいりません。
但し、炬燵には布団を掛けるので『綿埃(わたぼこり)』が舞うことが避けられません。
炬燵のヒーター部分は、“網目のようなカバー”が付いていますから、舞った綿埃が付着して目詰まりを起こす可能性も否定できず、“ヒーターで発火する”危険性もあります。
もし、ヒーターのカバーに目詰まりがあれば、使い古しの歯ブラシや掃除機で掃除することをお勧めします。
また、電源コードなどに不具合がないことも併せて確認して下さい。
むすび
日本の寒い冬を過ごすのに『炬燵』は欠かせない暖房器具の一つです。
ただ、使うのは数か月に限られますので、ついついメンテナンスを怠りがちです。
快適に利用するためには、せめて使い始めの『目視確認』と、使用時の『衛生管理』に目配せしたいものです。