奥歯にインプラントを入れた時の費用相場|保険適用は?メリットとデメリットを解説
- 2017/3/17
- 健康
抜けた歯の後処理として最近よく活用されているインプラント。
ブリッチと違い見た目は良いですがやはり気になるのは費用です。
また、他の処置と比較しどのうようなメリットやデメリットがあるのでしょう?
そこで本記事では、インプラントに関する気になるであろう情報をまとめてみました。
インプラントとは?意味や歴史をわかりやすく
『インプラント』とは、“体内に埋め込まれた人口器具”を総称したものです。
従って、骨折した時やリウマチの関節治療などで骨を固定する場合に用いる『金属ボルト』や、心臓に埋め込む『ペースメーカー』、或いは聴音障害時に埋め込む『人工内耳』などもインプラントに含まれます。
一般的にインプラントという言葉は『歯科インプラント』を指すことが多く、抜けた歯の代わりに“顎骨(がくこつ)に埋め込む人工歯根”が良く知られています。
歯科インプラントが臨床の場に提供されたのは1910年代になってのことですが、1930年代には『スクリュー型』、1940年代には『螺旋型(らせんがた)』の固定方式が開発されましたが、当時の治療予後(QOL:使用感)は非常に悪いものでした。
1952年(昭和27年)スウェーデン医師によって“チタンと骨が結合する”ことが発見され、歯科インプラントにおける一大転換を迎えました。
そのことを契機に盛んに動物実験が行われるようになり、1962年(昭和37年)から本格的な“人に対するインプラント治療”が始まりました。
インプラントの基礎知識
インプラント治療とは、歯の抜けた後の顎骨に“人口の歯根(しこん)を埋め込む”手術を行い、その歯根の上に補綴物(ほてつぶつ)といわれる“人口歯を嵌め込む”ものです。
顎骨に埋め込む人工歯根のことを『インプラント体』といい、顎の骨に孔(あな)を開け“チタン製のネジ”を嵌め込みます。
通常、埋め込んだインプラント体は、“顎骨と一体化する”まで6週間から6か月間くらい要します。
インプラント体の手術の異常がないことを確認した後、最終的に『スクリュー式』、『セメント式』、『磁石式』などで人口歯を固定したらインプラント治療が完了します。
ただ、インプラント治療は、顎骨に孔を開けるという“リスクを伴う手術が必要”であり、中には“手術が困難又は危険度が高い”ケースもあり、実際に手術の失敗事例が相当数あります。
また、インプラント治療の前提は“強固な顎骨が存在すること”であり、喪失している場合は他の部位からの骨の移植(自家骨移植)や人口骨などの填入(てんにゅう)が必要となります。
そのため、一般的には、可なり“医師の固有技術に作用される要素が高い”治療方法であることは間違いありません。
他の歯科医院と比べて“治療費が安い”という理由だけで選ぶと、手術後に『咀嚼機能(そしゃくきのう)』などに大きなダメージを与える可能性もあります。
インプラントと差し歯の違いは?
『差し歯』とは、“歯根が残っている”歯の上部に、金属やプラスチックなどで作った土台を固定し、その上に被せ物を取り付ける治療のことをいい、比較的短期間で治療が行えます。
一方のインプラントは、“歯根が残っていない”ため人口の歯根を顎の骨に埋め込む治療法のことで、顎骨に孔をあけるなどの手術が伴うので、概ね6か月間程度の治療期間を要します。
治療費を比べると、差し歯は一部の材料は保険適用外(自由診療)となることはありますが、概ね保険適用の範囲で治療が行えます。
しかし、インプラント治療は全部が保険適用外の扱いとなりますので、現在では可なり高額な治療費が求められます。
インプラントのメリットとデメリット
インプラント治療の根源的な問題点の1つ目は“医師の技術のバラつきが大きい”、2つ目は“治療期間が非常に長い”、3つ目は“手術のリスクが高い”ことが挙げられます。
インプラント治療は保険適用外の扱いなので、中には俄(にわ)か勉強でチャレンジする“技術未熟な歯科医師”もいるので、患者と医師の信頼関係の見極めが大切です。
なお、インプラント治療に関するメリットとデメリットは、概ね以下のようなものです。
(1)メリット
*クラウン(被せ物)やブリッジ(架橋)形においては、見た目が天然歯に近く違和感が少ない。
*隣接する歯を切削することがないため、ほかの歯に与える影響が少なし。
*直接顎骨に固定する方式なので、違和感が少なく硬いものを嚙むことが可能である。
(2)デメリット
*全身的な疾患がある人には、治療が困難な場合がある。
*歯槽骨を削る必要があるため、誤って血管や神経を傷つけた場合は後遺症が残ることや、最悪の場合は死亡に至る危険性がある。
*治療開始後数か月から半年程度の時間を要するため、患者にとっては不自由な生活を強いられる。
*口腔内細菌によって顎骨が感染されるリスクが高いため、口腔衛生の管理が必要で定期的な検診が必要となる。
*保険適用外(自由診療)の扱いであるため、治療費が際立って高額である。
奥歯2本をインプラントにした場合の費用はどれくらい?
インプラント治療は、通常の健康保険のように3割の自己負担ではありません。
自由診療ですから『全額自己負担』であり、且つ治療費は歯科医院によって自由に決められます。
従って、治療費の“相場は不明確”なのが実情です。
また、診断や手術の費用だけでなく、手術後のメンテナンスなどにも相当の出費が見込まれますので、予めセカンドオピニオンを利用して詳細な比較検討をお勧めします。
因みに、インプラント治療費の“1本当たりの全国平均額”は30~40万円くらいです。
従って、首都圏や中核都市部などでは、それより5万円程度高いと思われます。
インプラント治療費(1本当たり)の内訳は、概ね以下のようなものです。
(1)検査・診断料:1.5~5.0万円 (2)手術料:10.0~38.5万円 (3)人口歯:10.0~15.0万円 (4)メンテナンス:0.5~1.0万円 |
むすび
年を重ねてくると、一番顕著な加齢現象は歯と目に現れると聞いたことがあります。
何時までも美味しいご飯を食べ美しい景色を楽しめるように、若いときから歯と目のお手入れに励みましょう。