締めのラーメンはなぜ食べたくなるのか?=二日酔いに効果はあるの?
- 2016/10/19
- フード
日本の風習の一つに『手締め』という行為があります。
これは、“お祭りや冠婚葬祭などの式典”、“商談が成立した時”、“特別な会合などの閉会時”など、行事が無事に終わったことを祝って“掛け声とともに手拍子を打つ”ものです。
別に『手打ち』ともいわれています。
因みに、“締めラーメン”の『締め』という言葉は、① 引き締めること、② 帳簿の合計をだすこと、③ 封書の封じ目(〆)のこと、などに用いられますが、最近では飲み会の“最後に食べること(もの)”に用いられています。
話は変わりますが、最近、札幌(ススキノ)では、『締めパフェ』なる言葉が流行っています。
ススキノといえば札幌の歓楽街ですが、ことの発端は女子会の流れでお姉さんたちが“冷たくて甘いパフェ”で『締め』ていたそうですが、近頃ではお兄さんやオジサンたちも足繁く通う人が増えているそうです。
俄(にわ)かに信じ難いかも知れませんが、確かに『パフェ・バー』なるものが大変な人気を博しています。
戦後になって、中国などからの引揚者が始めた『ラーメン屋台』が人気を博しましたが、その後も様々なアレンジが加えられ当初の中国風『支那そば』とは異質な、“日本独自の麺料理”として発展を遂げ今日に至っています。
現在では、地域色豊かな『ラーメン専門店』が国内活動を展開する他、世界各地に進出し益々ラーメン人気のすそ野を広げています。
また、お湯を注ぐだけで食べられる『カップ麺』の人気は、既に世界の隅々まで浸透し“スナックの定番”となっています。
締めラーメンの意味と飲んだ後食べたくなる理由
さて、私たちは何故“締めのラーメン”が食べたくなるのでしょうか。
飲んだお酒が肝臓で分解されるために糖質(炭水化物)はもとより、必須アミノ酸といわれる『アラニン』や『グルタミン酸』の他、『亜鉛』や『ビタミンB1』が必要とされます。
都合の良いことに、ラーメンの麺(小麦粉)には炭水化物とタンパク質、具材のチャーシュー(豚肉)にはアミノ酸、出汁の鰹節には亜鉛、と多くの栄養分が含まれています。
詰まり、お酒を飲んだ後の身体が、本能的に“締めのラーメン”を欲しているのかも知れません。
但し、問題なのは『高カロリー』であることです。
締めラーメンは体に悪い?カロリーは?太る理由がある!
特に冬の寒い日の『飲み会』の後、家路につく道すがら“赤い提灯のラーメン屋台”が目に入ると、誘惑に勝てず暖簾(のれん)を潜ってしまうものです。
しかし、つい先ほどまで“お酒や料理でお腹を満たした”ばかりなのに、更に“高カロリーな締めラーメン”を食べて身体に良い訳がありません。
ラーメン1杯のカロリーは、大凡(おおよそ)500~800Kcalくらいあるといわれています。
しかも、夜遅く寝る直前にラーメンのように『塩分』が多く、且つ『脂質』の多い食べ物は消化が悪く胃に負担を掛けることになります。
また、お酒を飲んだ後は自分の寝ている間も“胃や肝臓は働き続ける”ので、眠りが浅くなり新陳代謝を司る『成長ホルモン』の分泌が低下し、更に肥満を促進させてしまいます。
塩分の過剰摂取は腎臓の負担も大きく、むくみの原因にもなります。
できることなら飲み会の解散後は、寄り道せず家路に就くことが貴方の健康にとって最善の選択肢といえます。
締めラーメンは二日酔いに効果があるのか?
二日酔いの対策には、色々なものがあります。
大きく分けると“飲む前に摂るもの”、“飲んでいる時に摂るもの”、そして“二日酔いになったら摂るもの”が挙げられます。
その中で、締めのラーメンは飲んだ後に摂る訳ですから、前の3つのカテゴリーには入らないので“特別なもの”に位置付けされます。
因みに、締めのラーメンについては巷(ちまた)では『賛否両論』あり、概ね次のようなものです。
(1)賛成意見
お酒の飲むとアルコールの利尿作用で脱水症状を引き起こします。
そのため塩分の多い締めのラーメンを食べることによって、失ったミネラル分の補給ができます。
また、アルコールを分解するため肝臓が糖分を消耗します。
締めのラーメンを食べると炭水化物によって、糖質が補給でき低血糖が解消できます。
(2)反対意見
二日酔いで吐き気があり胸がムカムカする状態で、弱っている胃壁に強い刺激のあるラーメンは、更に悪化を招くためお勧めできません。
また、ラーメンは脂肪が豊富な食べ物ですが、アルコールは脂肪の吸収を促進するので更に二日酔いを悪化させます。
飲んだ締めにお勧めの食べ物や飲み物
『二日酔い』の原因は、主にアセトアルデヒドの中毒症状によるものです。
従って、できるだけ早く血中濃度を下げることと、体外に排出することが何より大事なことです。
(1)アルコールの分解を促進するため、必要なエネルギーと水分を補給すること。 (糖質やミネラルを含むスポーツドリンクなど) (2)肝臓の働きを助けるため、必要な栄養分を補給すること。 |
むすび
できることなら『二日酔い』は避けたいものです。
しかし、いざ飲み始めると何時しか理性は雲散霧消し、気が付いた時は遅きに失しています。
従って、単なる“思いに終わらせる”のではなく、普段の生活習慣を改善することが大切です。
お酒を飲む前に“予め必要な栄養素を補う”ことを励行しましょう。