賞味期限が過ぎた缶詰は、何時まで食べられる?賞味期限の見方と処分の仕方
- 2016/10/18
- フード
『缶詰(かんづめ)』とは、基本的に“水分の多い食品”を金属製の缶に密封し、微生物汚染による『腐敗』や『変質』を防止するため加熱殺菌したものをいいます。
缶詰にするメリットは、次のような点が挙げられます。
(1)長期の保存性に優れている (2)加熱・殺菌・冷却などの加工が容易でする (3)操作性が容易である (4)形状の規格化が容易である (5)直接印刷や表示が可能である |
日本において本格的な缶詰の『生産』が始まったのは1877年(明治10年)、現在の北海道石狩市で缶詰工場が操業したことによります。
なお、本格的な『普及』が始まったのは1923年(大正12年)に発生した『関東大震災』以降で、アメリカの『支援物資』の多くが缶詰だったことによるものです。
因みに、大正から昭和に掛けて『カニ』、『サケ』、『マス』などの缶詰の輸出が最盛期を迎えましたが、1976年(昭和51年)以降“200海里漁業専用水域の設定”によって缶詰製造が大打撃を受け、約60年に亘るこの缶詰工場が終焉を迎えました。
缶詰の賞味期限の表示の種類と見方
『缶詰』は、基本的には貯蔵中に細菌による『腐敗』や酸化による『変質』などの変化心配ありません。
従って、賞味期限が記載されている間は、いつもの味や食感が楽しむことができます。
ただ、賞味期限が過ぎたものについては、主に貯蔵温度の影響によって『味』、『香り』、『色』などの品質がゆっくりと落ちていきます。
因みに、缶詰などの表示は、『食品衛生法』、『品質表示基準』などが適用されています。
食品衛生法及びその施行規則では、『主な原材料』、『食品添加物』、『賞味期限』、『製造所及び住所』が規定されています。
なお、輸入品の場合は『輸入者及び住所』となります。
因みに、缶詰(瓶詰)については、賞味期限は『略号』による表示が認められています。
また、食品添加物については例外的なものを除き、全ての品名を表示する義務があります。
一方、品質表示基準は、缶詰以外にも瓶詰やレトルト食品を含む“全ての飲食料品”が規制対象であり、『品名』、『原材料名』、『内容量』、『賞味期限』、『保存方法』、『製造者又は販売者の住所・氏名』の表示が義務付けられています。
輸入品については、更に『原産国』の表示が義務化されています。
因みに、表示方法は消費者が判り易くするため、“枠を囲んで一括表示することが原則”となっていますが、“常温で流通や保存する”場合は表示を省略できます。
缶詰の一般的な表示方法は、“缶詰の上蓋の部分”に3段に配置し、英数字を組み合わせて表示します。
(1)上段(1段目)
品名を記号で表し、左から2文字目までは『原料』、3文字目は『調理法』、4文字目は『形状・サイズ』を表しています。
(2)中段(2段目)
賞味期限を6桁の数字で表します。
例えば『160927』の場合は、2016年9月27日と読みます。
ただ、最近は、印刷技術が向上したことでもう少し判り易くするため『16.09.27』のように表示するものが増えています。
(3)下段(3段目)
製造工場の情報を表示しています。
これは、予め所管官庁に届け出ているものであり、消費者が見ても判ることはありません。
仮に、品質問題が発生した場合に“製造者又は販売者の住所”を追跡できるようにしているものです。
賞味期限が過ぎた缶詰を食べる際の目安
年末の大掃除をしている時など、食品棚や床下収納庫の奥から“賞味期限切れの缶詰を発見した”といった体験はないでしょうか。
既に賞味期限を“半年ほど過ぎている”場合は、どうしたら良いか悩むものです。
因みに、缶詰の賞味期限は美味しく食べられる期間として、“メーカの責任で通常36か月”に設定します。
しかし、実際にはピンホール(小穴)が開かない限り、中は密閉状態なので内容物が腐敗や変質することはありません。
詰まり、4~5年、ものによっては10年くらい平気で持つものです。
賞味期限を過ぎたものを“そのまま食べる”のは、やはり少し抵抗感があります。
そんな場合は、“缶の表面に錆がないか”、また“缶全体が膨らんでいないか”を確認して下さい。
仮にピンホールがあれば『微生物(細菌)』が侵入し腐敗している可能性があります。
その場合は“ガスを発生するので缶が膨張する”ので、缶切りで少し切り込みを入れガスの抜ける音がしないか確認してください。
何も異常がなければ、半年から1年くらい過ぎていても“味も風味も”殆ど気になりません。
ただ、賞味期限には拘わらず、人が食べ物を口に入れる時には、無意識に『味』や『臭い』のセンサーが作動するものです。
少しでも“違和感があった”時には、迷わず“捨てる勇気”を持ってください。
賞味期限切れの缶詰を処分するには?
賞味期限の切れた缶詰を捨てる場合は、缶を開封し中身を出して分別しましょう。
缶詰は基本的には水分が多いものですから、ビニール袋の中に新聞紙を入れその中に缶詰の内容物を入れます。
新聞紙が水分を吸いますから何も問題ありません。
空になった缶は、いつも通り缶を水で洗い流し、ごみ収集日に出すだけです。
むすび
スーパーなどでは『賞味期限』が切れた商品は、殆ど買う人はいません。
詰まり、現状では回収されてその大半が廃棄処分となります。
一方、発展途上国では、食べるものがなく飢餓に苦しんでいる人が沢山います。
この先、異常気象が日常的になると、先進国でも食糧事情がどうなるか判りません。
食品衛生が向上することは良いことですが、人類は何か大きな課題を背負っているように思えてなりません。