ブリ、ハマチ、カンパチの違いと見分け方!旬な時期と出世魚情報まとめ
- 2016/10/8
- フード
お寿司のネタや刺身の盛り合わせの中でよく見る「ブリ」や「ハマチ」。
あなたはパッと見ただけで違いを見分けることは出来ますか?
マグロとサーモンならすぐにわかると思いますが、ハマチやブリ、タイなど身が白っぽい魚はどれも同じように見えてしまいますよね?
では、違いを見分けるにはどこに注目すればよいのでしょう?
そこで本記事では、ブリ、ハマチ、カンパチの違いと見分け方をわかりやすく解説していきます。
出世魚とは?意味をわかりやすく
日本には、江戸時代まで『武士』などの世界では幼少期の頃や元服の際、或いは出世に伴って“名前を変える習慣”がありました。
それに擬(なぞら)えて、魚にも稚魚から成魚に成長する過程で呼び名が変わっていくものがあり、その魚のことを『出世魚』といいます。
因みに、出世魚は“縁起の良い魚”として扱われ、“お目出度い席”や”門出を祝う席”などで出される料理によく使われ、『ブリ』、『スズキ』、『ボラ』などが有名です。
同じ魚を違った名前で呼ばれる理由は、“外見の違い”、“生息域の違い”、“生態の違い”などが挙げられます。
例えば、生まれてからの“経年が異なる魚”が同時期に漁獲された場合、大きさによって呼び名を変えた方が判りやすい場合があります。
また、経年によって“美味しさなどの商品価値”が異なる場合は、呼び名を変えた方が良い場合もあります。
因みに、学術的な『標準和名』は、幾つかある呼び名の内で概ね『成魚』としての呼び名になっています。
なお、出世魚の呼び名は、多くの場合“水揚げされる地域”によって違う場合が多いです。
ブリ、ハマチ、カンパチの違いは何?見分け方は?
『ブリ』は、スズキ目アジ科に分類される海水魚です。
これまで捕獲された大きさでは、体長150cm、体重40kgの記録があるそうですが、通常体長100cmで体重は8kg程度といわれています。
『標準和名』であるブリは、江戸時代の草本学者である『貝原益軒(かいばらえきけん)』が、“脂多き魚なり、脂の上を略する”といって、『アブラ』が『ブラ』になり、更に転訛して『ブリ』になったという説があります。
また、他にも身が赤くて『ブリブリ』しているからという説もあります。
旬は“産卵期前の冬”であり、この時期にとれる脂がのったものを『寒ブリ』と呼んでいますが、脂が醸し出す独特の風味に人気があります。
因みに、ブリとよく似た『間八(カンパチ)』や『平政(ヒラマサ)』という魚がありますが、同じスズキ目アジ科の魚ですが“ブリの親戚”に当たるものです。
なお、カンパチは、目と目の間に漢数字の『八』のような模様が見えることから呼ばれるようになったものです。
ブリは、代表的な出世魚でその呼び方は、基本的には大きさにより変わりますが、地方によって下表の通り色々な呼び方があります。
地域 | 30cm未満 | 40cm未満 | 60cm未満 | 70cm未満 | 80cm未満 | 80cm以上 |
関東 | ワカシ | ワカシイナダ | イナダ | ワラサ | ワラサ | ブリ |
関西 | ワカナツバス | ツバス | ハマチ | メジロ | メジロ | ブリ |
北陸 | コズクラ | ハマチ | フクラギ | ガンドガンドブリ | ブリ | ブリ |
三陸 | フクラギフクラゲ | アオブリ | ハナジロ | ガンド | ブリ | ブリ |
四国 | - | ハマチ | メジロ | オオイオ | スズナリ | ブリ |
九州 | - | ハマチ | メジロ | - | ブリ | ブリ |
ブリ、ハマチ、カンパチの各々の旬、食べごろはいつ?
(1)ブリ
ブリの旬は、産卵期を迎える前の冬の時期ですが、最も脂がのる時期のブリを特に『寒ブリ』と呼び、貴重な食材として珍重されています。
寒ブリは、同じ種属の『カンパチ』や『ヒラマサ』などより脂が多く含まれていて、その脂肪分と相まって独特の風味を醸し出します。
料理の方法については、刺身で食べることはもとより、『焼き物』や『煮物』としても幅広い人気があります。
(2)ハマチ
ハマチは1年通して旬なのです。
その理由は、昔は“ブリは天然”で“ハマチは養殖”と相場が決まっていましたが、近年ではハマチを成魚まで成長させ、ブリとして出荷するようになりました。
暫くの間は養殖のブリは“値が安く人気ももう一つ”でしたが、近年では品質も目覚ましく向上し、寧ろ養殖ブリの方が高い場合もあります。
(3)カンパチ
カンパチの旬は、ブリと異なり春先から夏にかけてです。
カンパチはブリと同じスズキ目アジ科の魚で、『ヒラマサ』とも近い魚種です。
成魚は大きさが100cmくらいで、漁獲量が少なく且つ味も良いので、天然物は最高級魚として取引されます。
最近では鹿児島湾で養殖されるようになり、稚魚は中国からも輸入されています。
出世魚とは?ハマチ以外の出世魚まとめ
日本にはブリ以外にも『出世魚』といわれる魚がいますが、これも地域によって随分呼び名が異なります。
関東での呼び名を例に挙げてみます。
(1)スズキ セイゴ⇒フッコ⇒スズキ⇒オオタロウ(100cm以上)(2)ボラ オボコ⇒イナッコ⇒スバシリ⇒イナ⇒ボラ⇒トド(80cm以上) (3)サワラ (4)コノシロ |
むすび
以上、ブリ、ハマチ、カンパチの見分け方と食べごろ時期をまとめてみました。
九州から北上したブリは北の海でたっぷり餌を食べ、11月頃になったら脂ののった状態で南下し、富山県沿岸までやってきます。
このブリが“氷見の寒ブリ”として全国に名を馳せている魚です。
北陸新幹線も開通しているので、ぜひ一度お出かけになったら如何でしょうか。