超簡単!わらびのあく抜きは灰や重曹が良いの?美味しい食べ方と保存方法!
- 2017/1/31
- フード
昔、夏になるとお菓子屋さんの店頭に『わらび餅』というお和菓子が売られていました。
わらび餅は、今から1000年以上遡った平安時代頃から食べられていて、『御醍醐天皇』の好物だったという記録が残っているそうです。
わらび餅は、わらびの地下茎(ちかけい)から採れる『わらび粉』というデンプンを原料としたものですが、葛(くず)の根から採る『葛粉(くずこ)』に比べて、採るためには非常に“手間が掛かる”上に“収率が極めて低い”ことから、一般に流通することが殆どなく高価な貴重品として扱われています。
そのため、現在売られているわらび餅は、サツマイモなどのデンプンを原料としたものです。
なお、本物のわらび粉で作ったものは全体的に色が茶色であり、冷蔵庫で冷やすと直ぐに固くなり色も変わってしまいます。
わらびが採れる時期や場所は?
わらびは、酸性土壌に植生するシダ科の山菜ですが、春先に芽を吹き地下茎(ちかけい)によって、横方向に這うようにして繁殖します。
全体的に黄緑色でやや硬い茎(くき)となり背丈が50~100cmくらいに成長します。
また、わらびは樹木が密集する森林内に繁茂することは少なく、通常、間伐された植林地など日当たりの良い場所に出現し、山腹や里山の近辺に大きなコロニー(集落)を形成します。
わらびの簡単なアク抜き方法
野菜や山菜などのアク抜きとは、一般的に食材が持っている『ニガ味』、『エグ味』、『シブ味』など、“食味を邪魔する成分を取り除く”操作をいい、その食材に適した方法で行います。代表的な方法には、茄子や牛蒡(ごぼう)のように“水に晒す”、蓮根やウドなどのように“薄い酢に晒す”、ホウレン草やフキなどのように“茹でる”とか“熱湯に潜らせる”、大根や筍(たけのこ)のように“米のとぎ汁に晒す”、わらびやゼンマイのように“灰汁で茹でる”などの方法があります。
因みに、わらびのアク抜きは、以下の手順で行います。
(1)わらびを水洗いし、根本の部分を1cmくらい切り落とします。 (2)大きめの鍋にお湯を沸かし、重曹を適量(0.3%以下)入れます。 (3)沸騰したら火を止めて粗熱を取り、わらびが全て湯に浸かるようにします。 (4)そのまま一晩放置(約12時間)し、その間度々柔らかさを確認します。 (5)わらびが柔らかくなったら鍋から取り出し、流水で綺麗に洗い流しアク抜きが完了です。 (6)その後、適当量に分割し『輪ゴム』で束ねて保存します。 |
わらびの美味しい食べ方、簡単な調理法は?
わらびの“伝統的で素朴な食べ方”は、何といっても削り節とお醤油だけの『お浸し』ではないでしょうか。
アク抜きしたワラビを薄味の醤油漬けにしたものも、お茶漬けのお供にすると格別です。
また、蕎麦好きの人の中には、わらびのお浸しと蕎麦の相性が良いという人もいますが、お浸し以外の美味しいわらびの食べ方には、どんなものがあるでしょうか。
(1)煮物
アク抜きしたわらびを5cmくらいに切り、酒、みりん、醤油、砂糖、出汁を加え、好みによって人参、こんにゃく、油揚げなどを加え、弱火で煮込むと出来上がりです。
(2)炊き込みご飯
わらびの他、人参、筍(たけのこ)、油揚げなど好みの材料を入れ、酒、醤油、みりん、出汁を加えた後に水量を調節し焚きあげます。
(3)炒め物
水切りして5cmくらいに切ったわらびと幅1cmくらいに切ったさつま揚げを、ゴマ油を使って中火で炒めます。
酒、みりん、醤油、砂糖、出汁を入れて味を調え、強火でアルコール分を飛ばしたら出来上がりです。
冷凍?乾燥?わらびを長持ちさせる保存方法!
わらびの保存は、アク抜きしてから保存する方法と、アク抜きしないで保存する方法がありますので、簡単に紹介します。
(1)乾燥保存
アク抜きしたわらびを笊(ざる)に重ならないように広げ、日中は風通しの良い所で『天日干し』を行います。
その間、わらびを数時間ごとに手揉みしながら天地を返します。
夜は家の中に入れ湿気が少ない場所に保管します。
この作業を3~4日繰り返し、わらびが乾いた紐のような状態になるまで水分を抜きます。
紐状になったら通気性のないポリ袋に乾燥材と一緒入れ、密閉してから冷暗所又は冷蔵庫に入れると1年以上は保存が可能です。
(2)水煮保存
アク抜きしたわらびをよく水洗いし、わらびを縦方向にして瓶に入れます。
瓶の口から溢れるまで水を足し、鍋で沸かした湯の中に瓶を入れ沸騰させます。
少し冷ましてから瓶を取り出し、しっかり蓋をしてから逆さまにして冷却すると完成です。
瓶の中は真空状態になるので、そのまま常温保存が可能です。
(3)塩漬け保存
生のわらびを水洗いし、ひと握りくらいの分量にして輪ゴムで束ねます。
漬物容器に底が見えなくなるくらい塩を均等に撒き、わらびの束を一皮並べに敷き詰め塩を撒きます。
1段目と同様にわらびの束を敷き詰め、それを繰り返します。
一番上のわらびの束に塩を振ったら落し蓋をし、わらびの重量と同程度の重石を載せます。
一夜放置すると水が上がってくるので、重石を半分の重さにして冷暗所に保存します。
夏場は、茶色の水がでてくるので適宜水を取り替え、また塩を振って保存します。
塩抜きの方法は、鍋で沸騰直前まで茹でてから冷まし、水を取り替えて繰り返し塩出しをします。
塩辛さが抜けるまで繰り返して完成です。
むすび
わらびは、『シダ科』の植物の一種です。
因みに、生のわらびには、発がん性のある『プタキロサイド』という物質が0.05~0.06%含まれていますので、食べる前には必ず適切な方法でアク抜きを行うことが必要です。
それにしても、春先から初夏にかけて採れたわらびの『お浸し』は、独特の風味と食感が食欲をそそるものです。