たけのこの刺身の作り方|生で食べられる条件は?アク抜き方法も解説♪
- 2017/2/1
- フード
たけのこの食べ方と言えば、煮物や油炒め、たけのこご飯などを想像する方が多いはずです。
しかし、たけのこをそのまま刺身で食べるという粋な食べ方があるのはご存知ですか?
たけのこは本来あくが強い食材なので刺身で食べるにはしっかり下ごしらえをする必要もあります。
そこで本記事では、たけのこを刺身で食べる方法についてまとめてみました。
たけのこに関する豆知識
『筍(たけのこ)』はイネ科タケ亜科の植物であり、春から初夏に掛けて地上に出てきた『若芽』を採取して食用とするものです。
日本においては昔から、京都府長岡京市の『乙訓(おとくに)』が筍の産地として有名であり、1881年(明治14年)に八条が池の池畔に開業した数寄屋造りで有名な筍専門の“京懐石の割烹料理屋”があります。
日本で食用とされる筍の代表的なものは、中国から伝わった『孟宗竹(もうそうちく)』という種類ですが、それ以外にも『破竹(はちく)』、『真竹(まだけ)』、『根曲がりだけ』などがあります。
因みに、筍は地下茎から切断した直後から急速に『えぐ味』が増し、採ってから時間が経つに連れて硬くなるため、できるだけ早く下処置や調理が必要とされています。
筍は地中に隠れている間に既に全ての『節(ふし)』が形成され、最も根に近い部分から順に伸長していきますが、同じ地下茎から伸びた筍は“全て同じ数の節を持つ”といわれています。
筍の表面の硬い皮のことを『稈鞘(かんしょう)』といいますが、この皮は単に中の柔らかい部分を保護するだけでなく、節の成長を助ける役割を果たしていて、若竹の皮をはぎ取るとその部分の節の成長は止まってしまいます。
因みに、筍の成長の様子を比喩して“雨後の筍(うごのたけのこ)という諺”があります。
これは、雨上がりの後に筍が生え易いということから、何らかの事象をきっかけとして、“或ることが矢継ぎ早に発生すること”を表現したものです。
鮮度が命!たけのこを刺身で食べるコツ
“筍の刺身(さしみ)”と聞くと魚のように生で食べることを連想しますが、通常では筍は“アクが強い食材”ですから生で食べることは困難です。
詰まり、筍を生の刺身で食べられるのは、可なりの制約条件があります。
筍の刺身は、採れ立ての小振りの筍であれば直ぐに皮を剥(む)き、芯まで火を通すように茹でてアク抜きをします。
茹で上がったものは直ぐに氷水で身をしめてから、薄切りにして山葵(わさび)醤油で食べます。
特に美味しい部位は、いうまでもなく『穂先(ほさき)』の部分です。
穂先を縦割りにしたものを5mmくらいの厚さにスライスすると、筍独特の風味を感じながら美味しく頂けます。
元々、筍には独特の『えぐ味』あります。
しかも、採った直後から段々えぐ味が増していきます。
また、日当たりの良い南側の傾斜地に育った筍が“えぐ味が少ない”といわれていて、生の刺身で食べらるのなら“赤土に生えている”もので、且つ“3月上旬頃”の地上に若芽を出した“穂先数cmくらい”の部分が良いいわれています。
要するに、生で食べられる刺身というのは、中々お目に掛ることができないという訳です。
当然のことですが採ったら直ぐに皮を剥き、間髪入れずに山葵醤油でお召し上がりください。
たけのこの刺身の作り方
筍の刺身は、茹でてアク抜きしたものでも、採れたての生の場合でも、穂先の先端から4~5cmくらいが美味しい部分です。
切り取った穂先を縦方向に2等分し、更に、夫々横方向に“厚さ4~5mmくらいにスライス”するのが、一般的な刺身の食べ方です。
たけのこのアク抜き方法、保存方法
筍は、茹でてアク抜きするとほぼえぐ味はとれますが、採ってから長時間経過したものは硬くなっていきます。八百屋さんかスーパーなどで選ぶときは、できるだけ表面の“皮の乾き具合を確かめる”と良いでしょう。
乾いてカサカサしているものは避けた方が賢明です。
因みに、筍のアク抜きのやり方は、以下のような方法です。
(1)下処理
皮付きのまま、実を切り落とさないように“先端部分を斜め切り”します。
次に、切り取った面を上にして、実まで到達しないように根の方向に向かって包丁で切り口を入れます。
このひと手間によって実への水回りが良くなり、均等にアク抜きができます。
(2)アク抜き
大きな鍋に水を張り、『米ぬか』と丸のまま『唐辛子』を入れます。
火にかけて水の状態から筍を茹で始めます。
中サイズの筍2~3本の場合は、米ぬか1カップと唐辛子2本が目安です。
茹で汁が沸騰してきたら火を弱め、筍が浮き上がらないように落し蓋をします。
アク抜きの時間は2時間くらいを目安とし、水が少なくなってきたらさし水をして補充して下さい。
時々、竹串を刺して硬さを確認し自分の硬さの好みになったら火を止め、そのまま鍋の中で常温まで筍を冷まします。
(3)冷蔵保存
深めのタッパーに茹で汁を移し、皮を剥いて筍を縦方向に1/2~1/4に切り分けてから茹で汁に浸し、蓋を締めて冷蔵庫で保管すると、3日間くらいは美味しく頂けます。
柔らかくなった『姫皮(ひめかわ)』も食べられますので、実から切り離さないように注意して下さ。
むすび
筍の約90%は水分ですから、100g当たりのカロリーは30kcalと低いものです。
栄養分としては若干の炭水化物とタンパク質ですが、意外にもビタミンA、B、C、E、Kなどが含まれています。
その中でもビタミンB類は1(チアミン)、2(リボフラビン)、3(ナイアシン)、5(パントテン酸)、9(葉酸)などです。
その他にもミネラル成分のマグネシウム、カリウム、カルシウムも含まれていますので、結構バランスの良い食材なのです。