ホタルイカ沖漬けの作り方|身投げってなに?沖漬け以外の食べ方レシピ3選!
- 2017/1/13
- フード
『ホタルイカ』といえば『富山湾』と頭に浮かびますが、富山市から魚津市に掛けての富山湾岸を回遊することで知られています。
ホタルイカは、古くは松の肥料として利用されたことから、富山地方では『マツイカ』とも呼ばれるそうです。
ホタルイカ漁は、『瓢網(ふくべあみ)』という独特な定置網漁法で水揚げしており、早春の観光資源として期間限定の観光船で漁の様子を公開しています。
富山独特のホタルイカの瓢網漁は、海岸付近で産卵した後沖へ帰っていくものを捕獲する業法であり、産卵前の捕獲を極力避けた水産資源の保護にとって有益なもといえます。
なお、ホタルイカは腐敗が非常に速いため古くから生食は禁物とされていて、『佃煮』、『酢味噌和え』、『から揚げ』などの料理にして食していました。
平成に入った頃からは、“冷凍技術の進歩”や“輸送手段の高速化”により産地外への輸送も可能となり、春先になると生食用として店舗で販売されています。
『沖漬け』とは、イカ以外にも『アジ』や『キス』などを水揚げした際、船上で『醤油』などの調味液に漬け込む料理のことです。
昔から北海道のイカ漁師の間では、イカ釣り船に『漬けだれ』を持ち込み獲れたてのイカを“直接漬けだれに放り込んで作った”ところから、『沖漬け』の名がついたものです。
活きた“イカが醤油を飲み込む”ために、内臓にも味が浸み込み醤油漬けされた『イカ刺』の食感が味わえ、更に日を追うごとに奥深い味わいへと変化していきます。
その珍味が世間にも広まり、『煮切醤油(にきりじょうゆ)』に『唐辛子(とうがらし)』や『柚子(ゆず)』などの薬味を加えることによって、『イカの沖漬け』という名物料理になって行きました。
なお、北海道では、内臓の臭みを取るために沖漬けされたものを一旦冷凍し、食べる直前に輪切りにした『ルイベ』としてから食する方法もあります。
ホタルイカがとれる時期はいつ?身投げって何?
ホタルイカの漁期は2~5月頃ですが、“旬の時期は3~4月頃”といわれています。
富山湾では2月頃になると、普段は200~700mの深海に生息しているホタルイカが一気に海岸付近へ浮上してきます。
そのためホタルイカの旬の時期になると、岸壁などでバケツを手にした地元民の“ホタルイカの掬い採り”の姿が見られます。
4~5月頃になると富山湾の沿岸では、大量のホタルイカが波打ち際に打ち上げられる“ホタルイカの身投げ”という現象が観察されます。
夜明け前にこの現象に立ち会うことができれば、暗がりの中での幻想的な“ホタルイカの発光”に目を奪われるかも知れません。
ホタルイカの沖漬けのおいしい作り方
ホタルイカ、スルメイカ、ハタハタなどの内臓には、『旋尾線虫(せんびせんちゅう)』という線虫が寄生しています。
1995年(平成7年)以降は、国が指定した加熱又は冷凍の処理を行った後に出荷されるようになりました。
従って、沖漬けなどの生食用として供する場合は、念のために内臓を除去してから調理することが望ましいと思われます。
因みに、冷凍の条件は、-30℃で4日以上又は-40℃で40分以上と指定されています。
前置きはこれくらいにして、『ホタルイカの沖漬け』の作り方を簡単に紹介します。
(1)材料(お好みで増減)
*生ホタルイカ(冷凍済み品):1パック(約30杯入り)
*醤油:75cc
*お酒(日本酒):120cc
*味醂(みりん):20cc
*昆布:5~6cm角1枚
(2)作り方
*醤油に昆布を入れ、半日から1日放置する
*昆布醤油にお酒と味醂を加え、煮切り醤油としてから粗熱をとる
*ボールに切り醤油を移し、ホタルイカを漬け込む
*ボールにラップして、冷蔵庫で1日馴染ませて完成
ホタルイカの食べ方いろいろ
旬のホタルイカといえば『踊り食い』が有名ですが、そればかりではなく地元富山の料理研究家や調理学校などで色々なレシピが開発されています。
“お酒のおつまみ”や“ご飯のおかず”は勿論のこと、ピザやお好み焼きの具材としても人気があります。
ホタルイカを使ったレシピの一部を紹介します。
(1)ホタルイカの酢味噌和え
*材料:ホタルイカ、分葱(わけぎ)
*調味料:白味噌、酢、砂糖、和辛子
*作り方:2~3%の塩水でホタルイカ(目を外す)を2~3分ボイルする。
茹でた分葱の水を切ったものを5cmくらいに切って、酢味噌に合わせて盛り付ける。
(2)ホタルイカおにぎり
*材料:ホタルイカ、炊き立てのご飯、生姜、とろろ昆布
*調味料:水、醤油、砂糖、片栗粉(とろみ付け)
*鍋に調味料を入れ、目を取り除いたホタルイカを甘辛く煮つけた後、とろみを付ける。
炊き立てのご飯に千切り生姜を加え混ぜる。
ホタルイカを中に入れておにぎりを作りとろろ昆布をまぶす。
(3)ホタルイカと小松菜の塩焼きそば
*材料:ホタルイカ、小松菜、ニラ、中華蒸し麺
*調味料:水、鶏がらスープ(顆粒)、醤油、塩、胡椒、サラダ油
*ホタルイカをボイルし目を取り除く。
小松菜とニラを水で洗ってから4cmに切り、強火でサラダ油で炒める。
予め作っておいた合わせ調味料に麵を加えてほぐし、フライパンで水気がなくなるまで炒める。
焼きそばを皿に盛り付けたら上にホタルイカ載せる。
むすび
最近、日本海では海の異変が叫ばれています。
“氷見の寒ブリ”や“函館のイカ”が極端な不漁に見舞われていますが、何れも海水の高温化が一因と見られています。
それ以外にも『ウナギ』や『マグロ』などといった、日本人に親しまれている魚介類の絶滅が危惧されていますので、水産資源を枯渇させないための取り組みが喫緊の課題です。