加湿器の簡単な掃除方法と賢く使うポイント!クエン酸の効果は?
- 2016/9/1
- 掃除
『加湿器』とは、室内の空気を加湿するための『空調設備』のことをいい、主に空気が乾燥する冬場に使います。
原理的には、ストーブに置いた『やかん』から出た水蒸気で室内を加湿するのと同じですが、冬場に加湿器を使用すると体感温度の関係で少し暖かく感じる利点があります。
なお、加湿器は、蒸気を“発生させる仕組み”によって異なるタイプがあります。
主なタイプは、
①電熱によって水を沸騰させる『スチームファン方式』 ②超音波によって微細な水滴を発生する『超音波方式』 ③水を含んだフィルターなどに空気を接触させる『気化方式』 ④気化方式に他の方式を組み合わせた『ハイブリッド方式』 |
などがあります。
そんな加湿器の簡単な掃除方法と上手に使用するポイントを本記事ではご紹介していきます。
加湿器の掃除が重要なワケとは?
1976年(昭和51年)、アメリカで在郷軍人会が開催された際、参加者と周辺住民が原因不明の肺炎によって多数の死者が出たのをご存知でしょうか。
この肺炎は『レジオネラ菌』という真菌(カビの一種)によって惹き起こされたことから、の催しに因んで『在郷軍人病』と名付けられました。
因みに、レジオネラ菌の発生源は、会場近くにあった空調機の冷却塔(クーリングタワー)だったようです。
このレジオネラ菌は、病原性は低いので健常な人が容易に感染することはありません。
ただ、循環式の入浴施設などのお湯のタンクや湯船などで菌が増殖した場合、シャワーや浴槽のバブル発生装置のエアロゾル(飛沫)が気道から吸入され、菌に感染し死亡者が出るケースがありあります。
詰まり、水を使う加湿器もクーリングタワーと似たような構造を持つことから、病原菌が繁殖する危険性があるという訳です。
スチーム式加湿器の簡単な掃除方法
スチーム式加湿器は、基本的には加熱した蒸気を使うので菌の繁殖は抑えられますが、運転時間の経過と共に“加熱部にスケールが付着する”という難点があります。
スケールというのは、水道水に含まれるカルシウム、シリカ、鉄などの不溶物のことで、水が蒸発した後に残る『残渣(ざんさ)』のことをいいます。
これを長期間放置しておくと、石のように硬くなり取れなくなってしまうので、適当な間隔で掃除する必要があります。
ここでは、スチーム式加湿器の簡単な掃除方法をご紹介致します。
(1)スイッチを止めた後、30分くらい経過してから本体のカバーを外す。(2)本体から『加湿ユニット』を取り外し、水をこぼさないように台所のシンクまで移動する。
(3)加湿ユニットから『水タンク』を取り出し、『加熱筒』を露出させる。 (4)『蒸発布』を抜き取る。この時、蒸発筒に蒸発布が張り付いていることがあるので、蒸発布にぬるま湯を染み込ませてから、全周部分に均等に力を加えゆっくり引き抜く。 (5)蒸発布を掌で挟みこみ、内面のスケールを擦り合わせるように揉み洗いする。 (6)蒸発筒は表面をフッ素樹脂でコーティングしているので、傷つけないようにスポンジか歯ブラシで柔らかく擦り洗いする。 (7)組み立てに際し、蒸発布が乾燥して蒸発筒に嵌めにくい場合は、水で濡らせば簡単に装着できる。 |
クエン酸が効くって本当?
蒸発筒や蒸発布にこびり付いたスケールが取れにくい場合は、『クエン酸溶液』を使って掃除すると効果的です。
付着したスケールは『アルカリ性』の物質ですから、『酸性』のクエン酸溶液で洗えば落ちやすいという訳です。
クエン酸溶液の作り方は、濃度を0.5%~1%以下を目安とします。
例えば、ぬるま湯3リットルの場合は、クエン酸を25g~30gくらいを溶かします。
この溶液に蒸発筒や蒸発布を30分ほど浸漬させた後、2~3回水を交換しながらすすぎ洗いを行います。
なお、クエン酸溶液の濃度が高い場合や、すすぎ洗いが不十分の場合は、錆が発生し故障の原因となるので注意して下さい。
以下の動画ではクエン酸とあるものを使って加湿器の汚れを落とす方法をご紹介しています。
加湿器をしまう前、もしくは今年初めて使う前に一度試してみることをおすすめ致します。
加湿器を上手に使うポイントは
冬のシーズンは空気が乾燥しているため、“髪のパサパサ”、“手足のひび割れ”、“喉のイガイガ”、“インフルエンザの流行”など、身体にとっては厳しいシーズンです。
こんな時、便利なのが『加湿器』です。ただ、加湿器も使い方によっては“余り効き目が感じられない”ことがあるため、取扱説明書を読んで適切な使い方をしなければなりません。
ここでは加湿器を賢く使うポイントを3つご紹介致します。
(1)購入時の注意点
先ず、“設置する部屋の広さ”をしっかり確認します。
売り場の表示板には必ず『○○畳用』と書いてありますので、主に置きたい部屋の広さにあった機種を選びます。
また、広い部屋でも“局所的な加湿”をしたいのか、或いは“部屋全体を満遍なく加湿”したいのか、といった使い方にも気を付けましょう。
(2)設置場所の環境
冬は、ストーブ、エアコン、温風ヒーターなどの暖房器を使います。
これらは部屋の温度を上げるものですから湿度を下げる働きをします。
そんな環境下で加湿器を一緒に運転すると、過剰に湿度を上げたり、部屋の温度が上がらなかったりします。
詰まり、却って不快感が増すことになり、その上電気代も嵩みます。
また、暖房機以外にも遠ざけるべき場所があります。
それは『換気扇』や『出入口』のような空気が動き易い場所は、加湿器の効果が発揮され難いのです。
それと、『窓』は結露が心配されますので、できるだけ遠ざけた方がよいです。
(3)メンテナンス
加湿器は、当然ですが水を使います。水垢の発生や雑菌の繁殖などを適切に行わないと、それらが空気中に飛散されることになります。
折角、健康のためと思って購入したにも拘らず、メンテナンスを手抜きすると却って健康を害す恐れがあります。
高度な専門知識が求められる訳ではないので、せめて週1回でも掃除する習慣を付け、快適な冬の生活を楽しみましょう。
まとめ
以上、加湿器のお掃除方法や上手に使うためのポイントをご紹介しました。
便利な『家電製品』を買っても、使い方を間違えばその効果が得られないところか、無駄な電気代を使うことになります。
家電製品を買う前には必ず『原理機構』を理解し、最大限効果的な使い方をするのが賢い消費者です。
家電量販店では、販売員が親切丁寧に教えてくれますので、面倒臭いと思わずに理解できるまで聞いてみましょう。