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義理の父母の葬儀|マナーや香典の相場は?喪主にかける言葉は?
- 2016/10/15
- 知っておきたいマナー
一般的な解釈では、『義』は“道徳的で正しい”という意味で、『理』は“物事のことわりやすじみち”という意味ですから、両方が合体した『義理』という言葉は、“人として守るべき正しい道”という意味になるでしょうか。
昔の演歌に“義理と人情の板ばさみ”というフレーズがありました。
この歌詞を端的に言い換えれば、義理は『建前』で人情は『本音』となります。
話は変わりますが、夏目漱石が著した『草枕(くさまくら)』の冒頭に、
“智(ち)に働けば角(かど)が立つ。
情に竿(さお)させば流される。
意地を通せば窮屈(きゅうくつ)だ。
とかくにこの世は住みにくい。”
という一節があります。
日本の家族形態において『核家族化』が進む社会情勢の中、実の親子関係であっても“複雑多岐にわたるもめ事”が多くなっている昨今、況(ま)してや“義理の親子関係”になればなおのこと、色々と煩雑(はんざつ)な思いを抱くのも致し方ないことかも知れません。
義父母が亡くなった時、喪主に掛ける言葉と接し方
さて、夫の父母、即ち『義父母』が亡くなった時、喪主に対して一体どんな言葉を掛ければ良いのでしょうか。
誰もが経験する事態ですから“身につまされる”ことに違いありませんが、現実に直面しなければ中々“及びもつかない”のも事実です。
然(さ)りとて、試験勉強のように予習しておく訳にもいきません。
一般論として、義父(母)が亡くなった場合の『喪主』は、故人の配偶者又は長子が務めることが多いものです。
従って、喪主とは既知の間柄ですから、取り立てて格式ばった言葉を掛ける必要はありません。
いつも通りの口調で“悲しみを労(いた)わる気持ち”が伝わるように声を掛ければ良いです。
ただ、問題なのは、普段の付き合いが殆どなく、意図的に疎遠にしている場合は大変です。
しかし、自らの意思で通夜と葬儀に参列するのであれば、義理に徹して大人の態度を貫きましょう。
その場合でも喪主に対しては、多少儀礼的になっても“お悔やみの言葉”を掛けるべきです。
恐らく、葬儀の最中には聞こえよがしに“手厳しいご託”や“無責任な陰口”があるでしょうが、一切反論することなく寡黙に徹して裏方のお手伝いに専念することです。
義父母が亡くなった時の香典は?葬儀費用の負担は?
義父母が亡くなった場合の香典の金額は、世間一般では概ね10万円が相場です。
因みに、それ以外の身内(義兄弟姉妹など)は3~5万円、親戚関係(義叔父叔母)は1~3万円くらいが相場のようです。
当然のことですが、金額の多寡は生前の“お付き合い”や“お世話になった”程度によって判断すればよいですが、殊更に“見栄や意地を張って”頑張ってしまうと、後になって詰まらない思いをする場合があります。
さて、義父母の葬儀代の負担ですが、昔は一義的には“親の面倒を見ていた長子(いわゆる本家筋)”が負担するのが常識でした。
所が現在のように『核家族化』した状況では、必ずしも“長子に押し付ける”訳に行かないことは当然です。
仮に、長子が義父母と同居していて『遺産』などで優遇された場合は別として、そうでない限り“兄弟姉妹全員の均等割り”が一番公平で納得できる基準だと思われます。
とは言え、最近は義父母の世代も子に迷惑を掛けないように、“自分たちの葬儀代”を蓄えているケースが多いものです。
従って、義父母の葬儀を済ませた時点で掛かった『葬儀費用』と『香典』及び『預貯金額』などの金額を確認し、全員で最終的な負担額を決めると良いでしょう。
できることなら、義父母が健在の内に“葬儀の形式などの要望”が聞けると良いのですが、現実には中々難しい問題でもあります。
しかし、実際に亡くなった際、お金のことで兄弟喧嘩することを避けるためにも、少なくとも葬儀社に依頼する前に兄弟での話し合いを持ち、葬儀費用の目安を設定することをお勧めします。
義父母が亡くなった時の香典、年齢別相場
義父母が亡くなった時の香典は、年代が若ければ関わった時間が短いと考えられるため、一定程度の年齢傾斜があっても良いと思います。
また、住んでいる距離によっては交通費や宿泊代などの費用負担もありますので、できれば年長の兄弟にでも聞いてみても良いかも知れません。
参考として、義父母以外のケースについて下表に示しました。
自分との関係 | 20歳代 | 30歳代 | 40歳以上 |
義父母 | 30,000~100,000円 | 50,000~100,000円 | 100,000円 |
父母 | 30,000~100,000円 | 50,000~100,000円 | 100,000円 |
祖父母 | 10,000円 | 10,000~30,000円 | 30,000~50,000円 |
兄弟姉妹 | 30,000~50,000円 | 50,000円 | 50,000円 |
伯父母・叔父母 | 10,000円 | 10,000~20,000円 | 10,000~30,000円 |
その他親戚 | 3,000~10,000円 | 30,000~20,000円 | 3,000~30,000円 |
勤務先関係 | 5,000円 | 5,000~10,000円 | 10,000~30,000円 |
恩師・先生 | 3,000~5,000円 | 3,000~10,000円 | 3,000~10,000円 |
友人・知人 | 3,000円 | 5,000~10,000円 | 3,000~10,000円 |
葬儀に参列する際のマナーと気を使うべきこととは?
義父母に限らずに親族の葬儀に参列すると、普段会うことのない人と接することになり、ついつい近況などを話すことが多いものです。
余り話に気を取られすぎると周囲への目配りが疎かになります。
葬儀の席では、大人としての最低限のマナーには注意しましょう。
(1)表情が明る過ぎることや笑顔が多過ぎたりしないように。 (2)通夜振る舞いでお酒を飲みすぎないように。 (3)服装、メイク、アクセサリーなどが華美になり過ぎないように。 (4)お坊さんの読経中に居眠りをしないように。 (5)携帯電話などのマナーモード設定を忘れないように。 |
むすび
以上、義理の父母が亡くなった時の葬儀のマナーや気をつけるべきことなどをまとめました。
『死』というものは、何れは誰にでもやって来るものです。
それも、何時やってくるか誰にも判りません。
できることなら、せめて身内の皆に悲しんで送ってもらいたいものです。