春先に起こる肌の痒みの原因と対策!おすすめ非ステロイド市販薬3選
- 2017/1/3
- 健康
春先になると、毎年のように肌が乾燥し、強い痒みに襲われることってありませんか?
「痒くても我慢しなければならないのはわかっているけど、ついつい掻きむしってしまう・・・」。
ボロボロになった肌を見ると本当に辛くなりますよね。
では、春先になると何故肌が痒くなるのか?
そして、どうすれば痒みを抑えることが出来るのか?
本記事では春先の肌のかゆみの原因や対処方法を私の経験を踏まえながらご紹介していきたいと思います。
肌の構造と役割
人の皮膚のことを『肌(はだ)』ともいい、身体の表面を覆(おお)い包み肉体の外側と内側を区分するため、全体が『層状(そうじょう)』になっている器官です。
皮膚の構造は、一番外側の『表皮』(ひょうひ)とその下にある『真皮(しんぴ)』から構成されていますが、更にその下にある『皮下組織』や『脂肪組織』と繋がっています。
平均的な肌の面積は約1.6m2、重さは3.5kgくらいといわれていて、身体の中では一番大きな器官です。
また、皮膚には『体毛』、『爪』、『皮膚腺(汗腺、皮脂腺)』などの器官が付属していて、最も上層の表皮は細胞分裂しながら角質化し、概ね4週間毎の周期で『垢(あか)』となって剥落(はくらく)します。
皮膚の構造や役割はとても多様性に富んでいて、様々な機能を有しています。
その代表的な機能は、第1に、体外からの刺激(触覚、圧覚、温・冷覚、痛覚、痒覚など)を検知することです。
第2に、体内の構造が変形しないように、体外との境界を保持することです。
第3に、体内の水分が奪われないように保持することです。
第4に、体外と体内とのエネルギーを均衡させて、体温を一定に保つことです。
第5に、日光からの紫外線を受け、ビタミンDを生合成することなどです。
因みに、『指紋』は、掌(てのひら)にある『皮膚紋理(ひふもんり)』という“線状の凹凸した模様”のことで、物を掴(つか)む時に“滑り止めの役割”を担っています。
この模様は、成長と共に大きくなったり、加齢とともに薄くなったりしますが、模様そのものは形が変わることがないので『個人識別』に利用されます。
また、老化に伴って皮膚に『皺(しわ)』が増えていきますが、これは“真皮の弾性が失われる”ことによって生じる現象です。
皺の原因は、主に真皮のコラーゲンやヒアルロン酸の減少によるもので、その要因は『老化』以外に『紫外線』の影響が大きいといわれています。
春先に肌が痒くなる原因は?
春先になると、気温や湿度が徐々に高まり、また塵埃(ほこり)や紫外線などの外的な刺激が増えてきます。
それらの刺激によって肌が痒くなり、掻(か)き始めると痒み物質(ヒスタミンなど)を放出する細胞を刺激し、掻けば掻くほどより痒くなるという連鎖が生じます。
因みに、痒みを惹き起こす『刺激』には、食べ物、衣服、温湿度の他に、ストレスや加齢などが挙げられます。
特に、春先は生活環境が大きく変化する時期でもあり、精神的なストレスや様々な外的環境の刺激が増えることで、痒みの原因物質であるヒスタミンが体内に増加し、痒みを感じてしまいます。
ただ、余りリラックスし過ぎで怠惰な生活を続けると、『副交感神経』の働きが優位になり過ぎて『リンパ球』の産生が活発になり、ちょっとしたストレスに身体が過剰反応してしまいます。
詰まり、過食、惰眠(だみん)、肥満、運動不足など、“身体の過保護”が痒みを誘発することもあります。
なお、『痒み』の発症メカニズムは、今のところはっきりと解明されていませんが、『痒み受容器』によって大脳に伝達され、痒みとして知覚されると考えられています。
痒みは、“痛みと近い感覚”なので『痛み受容器』から伝わるという説もありますが、未だに解明されていません。
痒みの原因物質のヒスタミンは、免疫系に関係する物質でもあり、外部の音や光などの刺激や、体温の上昇などの刺激が原因で『アレルゲン』が体内に放出され、アレルギー症状によって痒みを呈することもあります。
皮膚を搔いた刺激から『神経ペプチド』が放出されると痒みがさらに憎悪し、悪循環を招いてしまいます。
また、痒みの原因は、ストレスや病気によって引き起こされることもあり、原因によって適切な方法で痒みを抑制する必要があります。
肌の痒み対策、実用的なのはこれ!
痒みを抑える応急的な方法は、『氷』や『保冷材』で痒い部位を冷却することによって“ヒスタミンの活動を抑制し”、痒みを軽減することができます。
また、肌が乾燥し過ぎると、外部の刺激から保護することができないため、適度に保湿することも必要です。
環境変化などによる精神的なストレスは、兎に角、溜め過ぎないように適度に発散することが大事です。
通常、どのような原因であっても取り敢えず“抗ヒスタミン系の塗り薬”を使えば、一時的には痒みを抑えることはできます。
但し、痒み止めの効果が殆ど感じられない場合は、『アトピー性皮膚炎』か『内臓疾患』が疑われますので、一度医師の診察を受けることをお勧めします。
肌の痒みに効く非ステロイド市販薬3選
『ステロイド』は、副腎皮質ホルモンの一種で身体の“炎症を抑え”たり、“免疫力を高め”たりする作用があります。
市販の“痒み止め軟膏”には炎症を抑えるステロイド以外にも、複数の成分が配合されている商品があります。
(1)クロタミトン(抗炎症剤+抗掻痒剤)
炎症を抑えるステロイド以外に、鎮痒(ちんよう)成分である『クロタミトン(オイラックスPZ軟膏)』を配合した痒み止め軟膏です。
クロタミトンは、抗ヒスタミン剤や局所麻酔剤の作用と異なり、塗布した部分に軽いヒリヒリした『灼熱感』を与えることで、痒みの症状を緩和させるユニークな軟膏です。
(2)フラジオマイシン硫酸塩(抗炎症剤+抗生物質)
外用ステロイドの『フルオシノロンアセトニド』に抗生物質の『フラジオマイシン硫酸塩(フルコートS)』を配合した、痒みと炎症の両面に効果を発揮するタイプの軟膏剤です。
掻きむしって化膿した患部や他の部位への二次感染を防止します。
強いステロイドを配合し、短期間で綺麗になおすことを目的とした商品です。
(3)ヒドロコルチゾン酪酸エステル(抗炎症剤)
ミディアムランクの外用ステロイドである『ヒドロコルチゾン(ロコイダン軟膏)』を主成分とし、皮膚の炎症だけを抑えることを目的とした軟膏です。
殺菌成分や痒み止め成分が入っていないため、痒みの強い場合には不向きですが、余分な成分を嫌う人には便利で安心な商品です。
むすび
“細かい所にまで配慮が行き届いている”という意味で用いられる、“痒い所に手が届く”という言葉があります。
その言葉通り、身体が痒い時に手が届かなければ、大変イライラするものです。
所が、手が届くと必ず“引っ掻きたくなる”ものですが、『掻痒感(そうようかん)』というのは掻けば掻くほど際限なく繰り返されます。
兎に角、痒い所の炎症を引き起こさないように、掻きたい気持ちを上手にはぐらかすことが大切です。